XPS13 (9343)にArchLinuxをインストールする --ISOイメージ作成編--
2016-09-11
- PC
2015年の春に買ったNew XPS13 (9343)(もうNewでも何でもない)にWindows10をクリーンインストールした。そのときついでにArchLinuxをインストールし直したので、そのときのメモ。 作業直後に書くつもりだったが大分時間が経ってしまったため、怪しいところがあるかもしれない。 本当はインストール作業まで全部書く予定だったが、力尽きたので続きはまたいつか書く。
要点
- 通常のArchLinuxのISOイメージにはXPS13用の無線LANアダプタのドライバが入ってないので、このISOではインストールが難しい
- 必要なドライバは
broadcom-wl-dkms - ArchLinuxのISOイメージは
Archisoでカスタマイズできる
ArchLinuxをインストールしたPCを用意する
何を言っているのかわからないかもしれないが、XPS13にArchLinuxをインストールするためには、ArchLinuxをインストールしたPCが必要。なぜなら通常のArchLinuxのISOイメージにはXPS13の無線LANのドライバが入っていないため(ここ参照)、そのままインストールしようとしてもネットに接続できず詰む。 broadcom-wl-dkmsというドライバを含むようカスタマイズしたISOイメージを作る作業をしなければならない。 ただし、XPS13の内蔵無線LANアダプタを使わずに、たとえばUSB接続の有線LANアダプタを使う場合などはこの作業は必要ないはず。そのときもドライバなかったら詰む。 なお、PCを別に用意しなくとも、XPS13のWindowsでArchLinuxの仮想マシンを作って以下の作業をしてもいい。
ArchLinuxのISOイメージを作成する
普通はArchLinuxのダウンロードサイト一覧からISOイメージを持ってきて、USBメモリに dd すればいい。
そのはずなのにドライバが足りてないため、以下のようになる。ここに感謝。
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Archisoの環境作り
これはArchLinuxのISOイメージを自作するためのツール。以下では
~/archlive以下に作業ディレクトリを作ることにする。sudo pacman -S archiso mkdir ~/archlive sudo cp -r /usr/share/archiso/configs/releng ~/archlive cd ~/archlive/releng -
yaourtを使うための設定
broadcom-wl-dkmsはAURというリポジトリにある。AURにあるパッケージはyaourtというツールを使うと操作しやすい。
まず
~/archlive/releng/pacman.confの最後に以下を追記してarchlinuxfrリポジトリを使えるようにする。[archlinuxfr] SigLevel = Never Server = http://repo.archlinux.fr/$archそして
~/archlive/releng/package.bothの最後に以下を追記。yaourt -
broadcom-wl-dkmsのための設定上で編集した
~/archlive/releng/package.bothにさらに以下を追記。これでbroadcom-wl-dkmsをビルドする環境が整う。linux-headers dkms fakerootさてここから詰まった。2015年にArchlinuxを入れたときは
~/archlive/releng/airootfs/root/customize_airootfs.shにsudo -u arch yaourt --noconfirm -S broadcom-wl-dkmsを追記すれば問題なくビルドできた(…はず)。これをする理由は、yaourtはrootでは実行できないため。sudoでarchというユーザに切り替えてyaourtを実行し、broadcom-wl-dkmsをインストールしているわけ。ところがなぜか今回はarchというユーザがいなくなっていたようだ。 仕方ないので、あまりうまくないやり方だが他に思いつかないので次のようにやる。
~/archlive/releng/airootfs/root/customize_airootfs.shの最後に追記する内容を以下のように変える。useradd arch # archユーザを追加 echo "root:hoge" | chpasswd # こうすればrootのパスワードをhogeに変えられる sudo -u arch yaourt --noconfirm -S broadcom-wl-dkmsここではarchというユーザを追加したが、既にシステムに存在するユーザでないなら何でもいい。パスワードを上のように切り替える方法はここで知った。
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ビルド
cd ~/archlive/releng sudo ./build.sh -vビルドの際にrootのパスワードを聞かれるので、上で設定した通りhogeと入れる。そうすれば実行ユーザが一般ユーザarchに切り替わり、yaourtが進む。
1回のビルドでうまくいかずやり直すときは
sudo rm -v ~/archlive/releng/work/build_make_*でリセットしてからまたビルドする。
ビルドすればISOイメージが
~/archlive/releng/out/下にできているはず。 -
USBメモリにISOイメージを書き込む
ここに書いてある通り。
lsblkでデバイス一覧が見れるので、どのデバイスファイルがUSBメモリなのかを 注意深く確認する 。 ここで不適切なデバイスファイルを指定すると重要なデータを意図せず消してしまう恐れがあるので気を付ける 。 もしマウントしているようならumountでアンマウントしておく。/dev/sdxがUSBメモリだとしてsudo dd bs=4M if=~/archlive/releng/out/archlinux-2016.09.11-dual.iso of=/dev/sdxのようにやればいい。ファイル名は例。